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國富 一彦; 塩沢 周策; 馬場 治
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 2, p.303 - 307, 1996/00
シビアアクシデントフリー炉は、その優れた固有の安全性により、1次冷却材の喪失する減圧事故時にも、燃料温度が許容値を超えることはなく、燃料からの有意の放射能の放出はない。また、格納容器内を不活性な雰囲気にすること、蒸気発生器等の水系を直接に1次系に接続しないことにより、燃料の酸化、水侵入による反応度の添加も起こらない。従来から、HTGRは安全性の優れた原子炉と見なされているが、その安全性は安全評価とPSAにより評価されており、PSAの概念が理解されにくいPAの観点、故障率のデータが軽水炉ほど十分にないため許認可の観点からも、実際には優れた安全性が理解されていない。SFHTRでは、その安全性をPSAにより評価するのではなく、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて事故模擬試験を行い、実際に燃料が破損せず安全であることを示す。このように、SFHTRでは、PSAにより安全性を実証する軽水炉と全く異なる安全論理に基づいて安全性を実証する。
馬場 治; 國富 一彦; 川路 さとし; 田中 利幸; 塩沢 周策; 大久保 実
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 2, p.281 - 287, 1996/00
大洗研究所では、1997年の初臨界を目指してHTTRの建設が進められている。HTTRの原子炉圧力容器、中間熱交換器等の主要機器は、既に現地に搬入され、1996年には単体機器試験、1997年前半には機能試験が予定されている。HTTRは、原子炉出口冷却材温度が、850Cと950Cの2種類と中間熱交換器の運転・休止の組み合わせによる計4種類の出力運転モードと高温ガス炉特有の固有の安全性を実証するための試験運転モードを有している。計測制御系及び安全保護系は、これらのすべての運転モードにおいて安全で安定な運転が可能で、万一の異常時には安全に炉停止が可能なよう設計されている。HTTRの冷却系、計測制御系、安全保護系の設計と、建設の現状について述べる。
熊丸 博滋; 大津 巌; 村田 秀男; 久木田 豊; 秋山 守*; 大橋 弘忠*; 後藤 正治*; 田中 伸和*; 大川 富雄*; 小野 勇司*; et al.
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.669 - 674, 1996/00
シャフト高さ約1000m、内径約3m、水-空気系のCAESシステムを模擬した、シャフト高さ約25m、内径0.2m、水-炭酸ガス系の実験装置を製作した。本装置を用いて合計15実験を実施した。高炭酸ガス濃度(~0.4MPa)、中水注入流速(~0.5m/s)の実験においては、下部リザーバへのガス貯気中(すなわちシャフトへの水注入中)のシャフト内ボイド率が全実験中最大となった。この実験はCAESシステムにおける最も厳しい状況に対応していると考えられるが、ブローアウトは発生しなかった。また、高濃度(~0.4MPa)、極高注入流速(~2.5m/s)の実験では、ガス貯気停止後、シャフト内に残存した過飽和炭酸ガス溶存水より急激に発泡が生じ、ブローアウトが発生した。しかし、実験装置での~2.5m/sは、CAESシステムでの~100m/sに相当し、非現実的流速である。
中村 秀夫; 久木田 豊; R.A.Shaw*; R.R.Schultz*
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART A), p.237 - 244, 1996/00
ROSA-AP600実験で観察された蓄圧注入系与圧用窒素(N)ガスのPRHRとCMTへの蓄積条件と、各々の機器の除熱能力に及ぼす影響を、実施した14実験からまとめると共に、CMT内の濃度変化を推定した。AP600では事象の終盤に、蓄圧注入系からNガスが一次系に流入する。その際、PRHRにはADS作動後ホットレグに水位が形成された場合にのみ、CMTには、コールドレグに水位が形成され、かつ均圧ラインが順流の時に各々流入、蓄積することがわかった。ただし、このようなNガスの蓄積は通常ADS作動後に生じるため、系への影響は小さいことがわかった。CMTへの蓄積は逆に、円滑な冷却材の注入を促すことがわかった。更に気相密度の安定成層を仮定し、温度分布から求めたCMT内Nガス最大蓄積量は、蓄圧注入系から放出される相当部分に達する可能性があることを示した。
西田 雄彦; 滝塚 貴和; 佐々 敏信; 高田 弘; 明午 伸一郎
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 2, p.461 - 468, 1996/00
オメガ計画に従って、陽子加速器駆動型消滅処理システムの研究を推進している。このシステムは、主として高速核分裂反応によりマイナアクチナイド(MA)を消滅するが、未臨界システムのため、設計の自由度や核的安全性において期待できる。固体燃料型システムはアクチナイド金属燃料炉心と核破砕ターゲットからなり、中性子実効増倍係数0.9をもち、1.5GeV、39mAの陽子ビームで運転する時、年に250kgのMAを消滅すると共に、加速器を駆動するのに充分な240MWの電力を発生する。液体燃料型システムは特定の核破砕ターゲットのない単純な炉心構造で、MA溶融塩やMA融体合金が還流しており、金属燃料炉心と同程度の性能を持つ他、MA等の添加や反応生成物の除去がオンラインでできる可能性を持っている。これら原研型加速器駆動型消滅処理専用システム概念の最近の研究成果について報告する。
稲垣 嘉之; 小磯 浩司*; 井岡 郁夫; 宮本 喜晟
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.633 - 637, 1996/00
高温工学試験研究炉(HTTR)の中間熱交換器(IHX)の実寸大部分モデルを用いた空気流動伝熱実験を行い、ヘリカルコイル型熱交換器の伝熱管外の熱伝達特性、圧力損失特性等を評価した。試験体は、3層54本のヘリカルコイル伝熱管群、センターパイプ等から構成される。本熱交換器の各層の伝熱管群の間には、伝熱促進のために熱放射板が設置されている。空気温度300Cの条件までで、この熱放射板により伝熱管外の熱伝達率が5~13%促進されることを確認した。また、強制対流による伝熱管外の熱伝達率はRe、圧力損失係数はReの関数で表されることを明らかにした。
森山 清史; 山野 憲洋; 丸山 結; 工藤 保; 杉本 純
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.903 - 915, 1996/00
原研では水蒸気爆発解析コードJASMINEの開発を行っている。本コードは(株)富士総合研究所によって開発された多次元多相流水力解析コードMISTRALをベースに開発され、現在粗混合モジュールの基本的な枠組みを完成して試計算を行っている。基礎式はもとのコードのものを用いており、冷却材、蒸気、溶融炉心の3相についての質量、運動量、エネルギー保存式を3次元オイラー系で記述したものである。相間の相互作用項と流動様式については、粗混合過程の現象をモデル化したものを組みこんだ。コード検証の第一段階として固体粒子を水中に投入した実験について解析を行い、実験結果との間で比較的良好な一致が得られた。また、コードに組みこまれているTVDスキームが溶融物の分布を精度よく捕らえるために有効であることがわかった。
松林 政仁; 数土 幸夫; 羽賀 勝洋
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.699 - 705, 1996/00
本研究では、これまで気液二相流動の流動様式の有力な観察実験装置として実績を有しているJRR-3M中性子ラジオグラフィ装置を用いて対向二相流落下水制限(CCFL)下の流動観察とボイド率測定を行い、これまで差圧測定では絶対値が小さく、かつ、相対的に変動が大きいため把握できなかった流動特性を把握し、併せて、解析モデルの妥当性を検討した。その結果、中性子ラジオグラフィが差圧測定からは把握できないボイド率を測定するのに有効であることがわかった。また、解析モデルがボイド率特性を良く予測することがわかった。
中村 尚彦; 橋本 和一郎; 丸山 結; 五十嵐 実*; 日高 昭秀; 杉本 純
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 3, p.199 - 203, 1996/00
シビアアクシデント時に炉心から放出されたFPが一次系へ移行し配管へ沈着する。その沈着したFPの崩壊熱および炉心からの自然対流等により配管が高温に加熱され配管の健全性が損なわれることが懸念される。配管信頼性実証試験(WIND)計画では、この配管内のFP挙動および配管にかかる高温、高圧条件下での配管の健全性を評価するために実施している計画である。本解析では、汎用有限要素法コードABAQUSを使用し、WIND計画における配管高温負荷試験の配管局所加熱スコーピング試験の試験解析を実施した。この配管局所加熱スコーピング試験では、小径配管を試験対象配管として内圧最大10MPa、配管局所加熱部温度を500Cまで昇温保持し、その時の配管温度分布おび歪みデータを測定した。この試験解析では、熱伝導解析により配管温度分布、弾塑性解析により歪みを計算し試験結果と解析結果の比較検討を行った。
丸山 結; 五十嵐 実*; 中村 尚彦; 日高 昭秀; 橋本 和一郎; 杉本 純; 中島 研吾*
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.997 - 1008, 1996/00
軽水炉のシビアアクシデント時には、炉心から放出されるFPの多くはエアロゾルの形態で炉冷却系配管を移行する。エアロゾル挙動は配管内流体の熱流動挙動に強く依存することから、原研では配管信頼性実証試験(WIND)計画の配管内エアロゾル挙動試験の一部として配管内熱流動試験を実施するとともに、配管内3次元熱流動解析コードWINDFLOWの開発を進めている。WINDFLOWと熱流動試験の試験後解析に適用した。1000~300Cの軸方向温度勾配を有する配管内に供給する気体(Ar)流量が異なる全解析ケースで自然対流に起因する2次流れの形成が予測された。また、2次流れと気相内熱伝導の影響により、試験配管出口近傍の配管天井部において急峻な温度勾配が形成され得ることが確認できた。気相内温度分布の実験と解析の比較から、WINDFLOWは径方向の気相温度分布と定性的に再現すること、軸方向の温度低下を過小評価することが明らかとなった。
H.Lee*; H.Seong*; G.Park*; 熊丸 博滋; 久木田 豊
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 3, p.41 - 50, 1996/00
本論文は、ROSA-IV/LSTFで実施された10%主蒸気管破断実験のRELAP5/MOD3コードによる解析の結果を示す。解析の結果、RELAP5/MOD3コードは、実験結果、特に重要なパラメータの傾向を妥当に計算できることが明らかになった。ただし、詳細な点では上部ヘッドで発泡が生じた期間には1次系圧力に若干の不一致が見られることが明らかになった。また、破断口の放出係数及ぶ気水分離器ドレンラインの損失係数に関する感度解析を実施した。これらのパラメータは、2次系の蒸気クオリティ及び破断流、従って2次系の水インベントリの変化に大きな影響を及ぼす。感度解析の結果、破断口の放出係数=0.85及び気水分離器ドレンラインの損失係数=10の場合に、解析は実験結果を良く予測することが明らかになった。
与能本 泰介; R.Shaw*; 久木田 豊
3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE), 2, p.1053 - 1058, 1995/00
原研と米国原子力規制委員会が共同で実施している新型炉AP600に関する安全性確証実験計画(ROSA-AP600計画)における第1回実験としてコールドレグの1インチ破断実験を行った。実験にはAP600の主要な安全機器を体積比1/30.5、高さ比1/1で模擬するように改造されたROSA-V/LSTF装置を使用した。破断直後から静的余熱除去系(PRHR)において炉心崩壊熱を上まわる自然循環除熱がなされた。この自然循環により一次系圧力は連続的に減少を続け、一次系内下部に低温水は蓄積し、炉心はサブクール水に覆われた。実験で見られたPRHRにおける自然循環熱伝達は本研究で提案する伝熱相関式パッケージを使用することにより良く予測された。
竹下 功; 板橋 隆之; 小川 和彦; 外池 幸太郎; 松村 達郎; 三好 慶典; 中島 健; 井沢 直樹
3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE), 4, p.1881 - 1886, 1995/00
本書は、核燃料サイクル分野での臨界実験安全性を研究するSTACYとTRACYの2つの臨界実験装置及びその燃料を調製する設備について行われた設計・モックアップ試験及びコールド試験の結果をまとめたものである。STACYでは、低濃縮ウラン溶液及びプルトニウム溶液の臨界量について、炉心形状、炉心直径及び溶液濃度等をパラメータとして系統的な臨界データが取得される。TRACYでは、急激に反応度を添加し、臨界事故時の過渡特性の解明及び放射性物質の環境への移行機構を解明するための基礎データが取得される。各々の臨界実験装置は、モックアップ試験、コールドでの機能試験により、所定の機能を有することが確認された。会議では、来年当初行う予定のホット試験の結果も一部加えて報告する。
竹田 武司; 國富 一彦; 中瀬 毅*; 今井 修*; 岡崎 泰三*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.417 - 420, 1995/00
高温工学試験研究炉(HTTR)は、黒鉛減速、ヘリウムガス冷却型の原子炉であり、原子炉出口温度は950C、熱出力は30MWである。HTTRの炉心と1次熱交換器を接続する二重管の内管の内側にあるライナは高温ヘリウムガスバウンダリを形成し、その材質はハステロイXRである。ライナと内管の熱膨張差はライナにスライドジョイントを設けることにより吸収した。それ故に、スライドジョイントの焼付き及び異常な摩耗を防止する必要がある。そのため、ハステロイXRの表面に熱CVD法を用いて窒化チタン(TiN)を3mの厚さでコーティングすることを考え、焼付き及び摩耗実験を行った。その結果、950Cのヘリウムガス雰囲気でハステロイXRとTiNコーティング材の凝着は生じなかった。また、950CにおけるTiNの摩耗は3mより薄い厚さであった。従って、ハステロイXRの表面にTiNをコーティングすることにより、焼付き及び異常な摩耗を防止できる。
浅香 英明; 久木田 豊; 斉藤 誠司*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.131 - 136, 1995/00
加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材事故(LOCA)時におけるホットレグ内の流れは、重力により水と蒸気が分離した水平層状二相流で特徴づけられる。ここでホットレグ水位は、蒸気発生器(SG)内ないしは加圧器内への蒸気による水のキャリオーバー量に影響する重要なパラメータである。小破断LOCA時のホットレグ内層状二相流は、水流量が増加するにしたがい常流から射流に遷移し、これに起因する典型的な水位低下の生じることがLSTF実験により示された。Gardnerは、ホットレグ入口前後で各相のエネルギーが保存されると仮定し、常流から射流への遷移モデルを開発した。しかし、このモデルによる予測結果とLSTF実験結果との一致は、定量的に不十分であった。筆者らは、Gardnerのモデルにホットレグ入口の形状エネルギー損失項をとりいれた改良モデルを開発した。この改良モデルは、LSTF実験で見られたホットレグ内の常流から射流への遷移条件を良く予測した。さらに射流発生時の水位予測及び気液の相間摩擦が水位変化に及ぼす影響についても論じられている。
熊丸 博滋; 村田 秀男; 近藤 昌也; 久木田 豊
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.217 - 222, 1995/00
原子炉の小破断LOCA時等に生じる炉心ボイルオフ(極低流量)状態における炉心内混合水位等の評価に重要な高温高圧条件下のバンドル内局所ボイド率を、光学式ボイド計により測定した。実験は、燃料集合体を模擬した24本ロッドバンドル試験部において、圧力3MPa、質量流束11~90kg/ms、クオリテイ0.06~0.77の範囲で実施した。光学式ボイド計によりバンドル直径に沿った局所ボイド率分布を測定するとともに、線型密度計による直径に沿った弦平均ボイド率及び差圧計による体積(面積)平均ボイド率を測定した。気泡流~スラグ流~環状流と変化するに従い、測定した局所ボイド率分布は凸形より平坦形へ、気泡通過頻度は凸形より凹形へ変化した。弦平均ボイド率(線による)は体積平均ボイド率(差圧による)より常に大きい値を示したが、これは局所ボイド率分布の流路断面内分布によることが明らかになった。
石川 信行; 鈴木 勝男; 藤井 義雄; 臼井 甫積
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.449 - 454, 1995/00
TVカメラによる視覚情報フィードバック制御の一手法として、画像によるビジュアルサーボ制御法(IBVS)がWeissらにより提案されている。本手法の特徴は画像上の量(例えば物体の画像上での重心位置)を直接に制御量として用いて動的制御を実現している点にある。Weissらはこの手法の有効性を数値シミュレーションで示している。本稿ではIBVSを実際に実現する上で必要となる事項の実験的な考察をしている。第1点として、制御系を設計する上で必要となるモデルの検討及びこのモデルに含まれるパラメータ推定実験を行った。第2点目として、画像装置における演算遅れ時間の測定及びこの遅れによる制御系の安定性への影響を制御則としてPI制御を用いた場合について実験的に検討した。
加治 芳行; 井岡 郁夫; 宮本 喜晟
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.363 - 368, 1995/00
核熱利用の新たな展開において、1次系と2次系冷却ガスの熱交換を行う中間熱交換器(IHX)は、高温ガス炉(HTGR)の重要機器である。その中で、特に伝熱管の構造健全性を確認することが重要である。起動停止時において、伝熱管の下部連絡管は高温ヘッダーとヘリカル管との熱膨張及び温度差による熱応力を受ける。したがって、950Cヘリウムガス環境中において、伝熱管の寿命を評価するためにIHXの実規模モデルを用いたクリープ疲労試験を行った。また非弾性解析を用いた寿命予測を行い、以下の結論を得た。(1)4576サイクルで最内層のサポート角度が90Cの伝熱管のスタブ部と下部連絡管の間の溶接部にき裂が発生した。(2)非弾性解析により計算されたクリープ損傷を用いた寿命予測結果は、実験結果に比較して非常に保守的であった。
数土 幸夫; 神永 雅紀
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.223 - 228, 1995/00
ヒートパイプ、板状燃料を用いる研究炉及び商用炉での垂直流路における気液対向二相流で重要な現象である落下水制限(Countercurrent Flow Limitation)現象の、発生メカニズムとその支配パラメータの効果について、内管流路、矩形流路並びに環状流路の特性を解析的に系統的に検討した。その結果、流路長、流路径、又はギャップ、幅並びに注入水の運動量の効果、注入水のサブクーリングの効果を的確に評価できることがわかった。解析結果と既存の各種の流路形状での実験結果との一致は良好であることがわかった。これらから、落下水制限の発生メカニズムについて重要な知見を得ることができた。
高瀬 和之; 秋野 詔夫
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.535 - 540, 1995/00
ピン・イン・ブロック型炉心構造であるHTTRの場合、冷却材であるヘリウムガスは燃料棒と燃料チャンネルとで構成される環状流路を下降しながら、燃料棒によって最高950Cの出口温度にまで加熱される。この際、燃料温度は1200C以上の高温となるため、将来の高出力密度炉心では設計余裕(燃料使用最高温度との差)を十分に確保できない。そこで、燃料温度を現状よりも低下させるための一手段として、対流伝熱促進を期待した粗面燃料棒による伝熱流動実験が行われ、その熱流動特性が調べられた。本研究はこの実験結果をもとに、矩形突起付き環状流路内の熱流動解析を行って熱伝達率の数値予測の妥当性を評価したものであり、本成果は高温ガス炉用高性能燃料棒の開発や原子力熱エネルギー輸送機器の高効率化等に利用できるものである。